新国立 文科相、プロ活用も検討 五輪後「黒字前提に」

 2020年東京五輪パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設計画が白紙撤回されたことを受け、新たな整備計画を検討する関係閣僚会議の副議長を務める下村博文文部科学相が18日、産経新聞のインタビューに応じ、「(新しい整備計画では)ナショナルスタジアムにはこだわらない。2020年以降に民間委託し、プロの野球チームやサッカークラブのホームグラウンドになる可能性は十分ある」との見方を示した。これまで自民党の一部議員らが野球場への再整備を主張していたが、関係閣僚会議のメンバーが言及したことで議論が本格化しそうだ。

 下村氏は従来の整備計画が白紙撤回になった自身の責任について「出処進退を含めて逃げるつもりはない」と述べ、計画を検証する第三者委員会の報告を待って判断する意向を改めて示した。

 旧国立ではサッカー、ラグビー、陸上の競技機能を持っていた。新国立は20年大会で開閉会式や陸上などが開催される。しかし、下村氏は「(20年以降は)黒字を前提に、できるだけ国民の税金が垂れ流しにならないスキームを考えるべきだ。その結果、プロの野球やサッカーでの活用もありうる」と語った。

 白紙撤回された旧計画については、4月に総工費が基本計画時より大幅に高騰すると報告を受けるまで、事務方から金額の経過説明はなかったと強調。「(事務方は)日本スポーツ振興センター(JSC)がゼネコンと交渉し、予算内に抑えることができると思い、私まで報告を上げる必要がないと判断したのではないか」と述べた。一方で「結果論から言えば、報告が細かく上がってきていれば、適切な判断がもっと早くできたと思う」と釈明した。

 下村氏は、6月に安倍晋三首相に旧計画の白紙撤回を進言したことについて、「(女性建築家)ザハ・ハディド氏の案のメリット、デメリットと、違うデザイン案にした場合のメリット、デメリットを整理して持っていった。よりベターな提案をする必要があった」と振り返った。

 

TERA RMT